更新日: 2024年10月31日
「旧ハッサム住宅」公開 2024
神戸市中央区の日本庭園「相楽園」内にたたずむ異人館「旧ハッサム住宅」が2024年も内部公開されています。公開期間は9/21(土)~11/24(日)の土日祝日。公開時間は9:00~16:30(最終入館16:00まで)となっています。普段は間近に目にすることのできない国の重要文化財である貴重な建築物「旧ハッサム住宅」の華やかで贅沢な内部を、この機会に是非観覧してみてはいかがでしょう。
「旧ハッサム住宅」とは?
神戸市の「旧ハッサム住宅」は、インド系イギリス人である貿易商、ハッサム氏によって今から100年以上前の明治35年に自邸として建てられました。神戸市灘区の王子動物園内にある「旧ハンター邸」や神戸北野異人館街の「風見鶏の館(旧トーマス住宅)」「ラインの館」と同じく国の重要文化財として指定されています。「旧ハッサム住宅」はかつて中央区北野町2丁目の高台、現在のラインの館の北側にありましたが、昭和36年、当時の所有者であった神戸回教寺院より神戸市に寄贈され、昭和38年に神戸市中央区の日本庭園「相楽園」の一角に移築されました。
「旧ハッサム邸」は、「シュウエケ邸」や「ゲンセン邸」など神戸で数々の洋館を手掛けた英国人アレクサンダー・ネルソン・ハンセル氏(Alexander Nelson Hansell、1857年 – 1940年) によって設計された木造2階建ての洋館です。ハンセルは明治21年に神学校の英語教師 として来日しましたが、日本では建築家として活躍しました。神戸以外では京都の「同志社大学ハリス理化学館」も手掛けました。
「旧ハッサム邸」は、入口の大きなアーチと2階の窓の連なる広いベランダが美しく、1階はアーケード式(アーチを連ねた形)、2階はコロネード式(列柱式)となっています。ベランダの柱頭部には、古代ギリシア・ローマで流行して以来建築物や内装によく見られる、西洋アザミをモチーフとした「アカンサス」をかたどった柱頭飾りが付いており、この建物の大きな特徴の一つとなっています。
屋根は最頂部から地上に向かって4方向に傾斜する“寄棟造(よせむねづくり)”、軽量で波型の瓦を積んだ“桟瓦葺(さんかわらぶき)”で、躯体となる煉瓦の壁を薄い煉瓦で装飾した“化粧れんが積み”の煙突も取り付けられています。
外壁は横に長い板材を階段状に重ね、押縁で固定した“下見板張り”でオイルペイントが施され、ベイウインドウ(張り出し窓)、よろい戸とペジメント(切妻のこと)、蛇腹など明治時代に建てられた神戸の異人館の特徴をもっています。
玄関を入ると中央部に階段を含む小ホールと廊下があり、中央廊下を挟んで左右に部屋があります。1階には接客用にも使用できるオフィシャルスペースとしての食堂や応接室、居間が配置され、2階にはプライベートな家族の生活の場としての寝室や浴室、化粧部屋などが配置されています。それぞれの調度品の豪華さはもちろん、柱や壁、家具に施された趣のあるデザインに魅了されます。また前庭の2本のガス灯は、明治7年頃旧外国人居留地に建てられていたものだそうです。日本でも非常に早い時期の街灯用ガス灯ですが、現在は電灯に改造されています。
1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災では、主屋の壁には亀裂が入り、レンガ積みの煙突が室内に落下し、屋根や天井、床も破損しましたが、その後復旧されました。配膳室に落下した煙突は、震災の記憶を後世にとどめることを目的として、今も前庭の隅に展示されています。
多彩なイベント「秋めく相楽宴 2024」
「旧ハッサム邸」が移築保存されている「相楽園」では「秋めく相楽宴 2024」と称して秋色に染まった日本庭園を舞台に下記の日程で多くのイベントが開催されるそう。
詳しくは公式HPでご確認ください。https://sorakuen.com/
<造園花壇展示>
開催日時:2024/10/26(土)~11/17(日)※予定
場 所:芝生広場
<浣心亭茶席>
開催日時:2024/10/27(日)、2024/11/17(日) 各日11:00~13:30
場 所:浣心亭
各日5席(1席20名 30分程度)
※茶券は当日9:00より1枚400円で受付にて販売。(購入は一人2枚まで。なくなり次第終了)
<懐かしの名曲カバーライブ>
開催日時:2024/11/3(日・祝)14:00~15:00
場 所:旧小寺家庭舎前広場
観覧無(要相楽園入園料)・雨天中止
<ジャズライブ>
開催日時:2024/11/4(月・振)13:30~14:30
場 所:旧小寺家庭舎前広場
観覧無料(要相楽園入園料) ・雨天中止
<和菓子販売 創作菓子いおり> 10:00~17:00
開催日時:2024/11/9(土)~12/1(日)
場 所:芝生広場
<第40回 相楽市 ~あいたのしむいち~>
開催日時:2024/11/10(日)9:00~16:00頃
場 所:芝生広場
荒天中止
<夜間開園>
開催日時:2024/11/29(日)~11/30(日)9:00~19:00(最終入園 18:30)
<船屋形(重要文化財) 般公開>
開催日時:2024/11/23(土・祝)、11/24(日)10:00~15:00
※外側から中を観覧。
「相楽園」は人気の写真撮影スポットとしても人気なので、訪れた際は庭園や「旧ハッサム住宅」などを背景に写真をたくさん撮って、SNSなどに投稿すれば秋の素敵な想い出になりそうですね。
この秋は紅葉や菊の花に彩られた日本庭園「相楽園」を訪れて、季節のイベントを楽しみながら、見事に“和”と調和する洋館「旧ハッサム邸」の貴重な美しさに触れてみてはいかがでしょうか。
旧ハッサム住宅内部公開
■開催場所
神戸市立相楽園
〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通5丁目3−1
mapはこちら
神戸市営地下鉄西神・山手線:県庁前駅から北側へ徒歩5分
神戸高速鉄道東西線:花隈駅から北東側へ徒歩15分
JR神戸線:元町駅または阪神電鉄:元町駅から北西側へ徒歩10分
専用駐車場はありません。付近に一般のコインパーキングはありますが、少なめです。
■料金(相楽園の入園料のみ)
見学無料。相楽園の入園料が必要です。
※相楽園に入園すれば、同じ敷地内にあるハッサム邸への入館が可能となります。
■相楽園入園料(団体割引や年間フリーパス、その他入園料割引については公式HPをご確認ください。)
・大人(15歳以上) : 300円
※神戸市内在住または在学の高校生の方で、生徒手帳を提示した場合は無料。
・小人(小・中学生): 150円
※のびのびパスポート提示の方は無料です。
■開催日時
開催日 :2024/9/21(土)~11/24(日)の土日祝日
開催時間:9:00~16:30(最終入館16:00まで)
■お問い合わせ先
神戸市立相楽園
TEL:078-351-5155